改正介護保険制度の介護認定・デイサービス・グループホームについて
改正介護保険制度の介護認定について
介護の社会化を掲げて、2000年4月にスタートした介護保険制度。
40歳以上の人全員が保険料を支払い、介護利用者の主体的な選択によってサービスが提供されると言う介護保険制度ですが、今後のさらなる高齢化社会を考えると、保険料の引き上げや、保険料を負担する対象を現行の40歳以上から引き下げざるをえなくなるでしょう。
2006年には、その一環として一部、介護保険制度の介護認定が改正されました。
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改正介護保険制度の介護認定について 、平成18年の介護保険制度の改正では介護予防に重点が置かれるようになり、それまでの要支援、要介護1〜5の6段階の介護認定区分のうち、要支援と要介護1の一部が要支援1・要支援2に変更され、要支援1・2と要介護1〜5の7段階の介護認定区分になりました。
さて、改正介護保険制度による介護サービスを利用するためには、まず要介護認定を受ける必要があります。
この要介護認定とは、介護サービスを希望する人がどれくらいの介護サービスが必要なのか、どのような介護サービスを受けることができるのかを公的に認定するためのもので、要支援1・2(要支援認定)あるいは要介護1〜5(要介護認定)の介護区分に認定されます。
この介護認定を受けないことには介護保険の介護サービスを受けることができません。
介護サービスを利用したい方が要介護認定を受けるためには、まず最初にお住まいの市区町村に要介護認定の申請を行う必要があります。
要介護認定申請がなされると市町村は申請者のもとに調査員を派遣し、本人の心身の状況や環境などについて聞き取り調査を行います。
また市町村は申請者のかかりつけの医師に対し意見書の提出を求めます。
この聞き取り調査結果と医師の意見書を全国統一の基準によりコンピューター審査し1次判定が下されます。
1次判定を通過すれば、保険・医療・福祉などの専門家などから構成される認定審査会による2次審査がなされ、「要支援」、「要介護」、「非該当(自立)」のいずれかの介護認定が下されます。
判定結果に不服がある場合には市町村の窓口に介護認定に対する不服審査請求をすることができます。
しかし、現実的には「要介護」から「要支援」への変更を不服とした請求は約4割を占めるが、申請が認められたケースは5%にとどまっているらしいです。 この介護認定で「要介護」と判定された方は介護サービスを、「要支援」と判定された方は予防サービスを受けることができます。
「非該当(自立)」と判定された方でも、要介護・要支援状態になるおそれがあれば「特定高齢者」として介護予防サービスを受けることができます。
デイサービス
デイサービスとは、一般的には老人デイサービスセンターのことを指しますが、日帰りで高齢者に対し行うサービスのことですが、自立生活を助長したり、心身機能の維持または向上を図ることが目的で、自治体や社会福祉法人が老人福祉法に基づいて行っています。
医師は不要ですが、寮母や生活指導員、看護師、送迎などの運転手などが必要です。
似たような言葉で、ディケアというのがありますが、内容が少し違います。
デイサービスとは介護サービスのうちのひとつで、老人デイサービスセンターとも通所介護事業所ともいわれます。
老人福祉法に基づき、高齢者に限らず、在宅で介護を受けている方を施設に送迎し、入浴や食事、機能訓練、そしてレクリエーションなどのサービスを提供しています。
介護保険法に基づく市町村の要介護認定を受けていて、要支援または要介護に認定された人が利用することができます。
利用料金は要介護度によって変わります。
平成17年度より居住費と食費が自己負担になっており、改善点としては低所得者に対して特定入所者介護サービス費が給付されるようになりました。
似た言葉でデイケアというものがありますが、こちらは老人保健法に基づいたサービスです。
デイサービスを利用するメリットは要介護者、介護者双方にあります。
要介護者にとっては、寝たきりになってしまうと、一人で外にでかけることができません。
介護してくれる家族との会話だけになり、孤独感がでて気持ちもふさぎがちになります。
そういったとき、週に1、2回デーサービスセンターに出向き、交流をすることができるのは大きな楽しみとなります。
また入浴ができることも大きいです。
普段生活をする家で、寝たきりの方が入浴をすることは、器材、スペース、そして肉体的負担のこともあり、現実的にとても難しいのです。
それが、デイサービスセンターでは広い風呂で足を伸ばしてリラックスしてくつろげます。
デイサービスから帰ると、お年寄りの機嫌がよくなる、というのはこういったことが大きいのでしょう。
そして介護する家族側にとってみると、週に一二回だけでも、介護の負担から解放される、その気分転換という精神的な面が大きいのです。
どうしても出かけなければいけない時、たまには遊びたい時、そんな時に利用されることが多いです。
グループホーム
グループホームとは、病気や、障害があるために日常生活を送ることに支障を来たしている人たちに対して介護関連の専門スタッフが援助をしながら、少ない人数で一般的な住居に住み、共同生活を送るという介護の形態のことを言います。
グループホームに住んでいるからといって、そこに缶詰になるのではなく、住んでいる地域の地域社会にも参加していきます。
グループホームは、集団生活型介護と呼ばれることもあります。
グループホームという介護の方法がどこで始まったかというと、もともとはヨーロッパの思想だと言われています。
ヨーロッパでは、かねてから障害者を施設から解放しようという動きがありました。
精神障害者、知的障害者を社会的な隔離施設から解放しようという脱施設の動向が、患者・高齢者・要養護の児童にも拡大されていき、広く浸透してきたものがグループホームの考え方を生んだとされています。
グループホームの中でも、認知症対応型である認知症高齢者のためのグループホームがもっとも多く、その他嚥下困難、学習障害など、さまざまな障害に対応したタイプのグループホームも存在します。
グループホームは、福祉施設という捉え方ではなく、どちらかというと「家」と言った方が適切だと思われます。
実際、認知症高齢者型グループホームは、介護保険上でも住宅とみなされていますし、また、そのグループホームで提供されるサービスを、在宅サービスと位置付けています。
中でも、グループホームならではというものなのですが、最も典型的なタイプとしては、住宅であること、すなわち自宅であるということを重視して擬似家族的に生活を送るグループホームがあります。
これらのサービスは、介護援助サービス企業が設けたものもありますし、障害者グループが自ら自立生活を目指して共同生活に踏み切り、ボランティアを募って、その人たちの援助で生活するものもあります。
こうした独立したグループホームのほかに、大きな施設の中に、グループホームがいくつも立ち並ぶというタイプも存在します。
例えば、総合病院の敷地内にグループホームが何棟か立っているというような状態です。
これを分園化といいますが、グループホームではきめ細かなケアを受けることが出来、また、何かあったらすぐに病院を利用できるという、両方の利点を存分に生かせるという工夫が施されています。